【完全ガイド】初めての転職も安心!看護師の転職方法と進め方・ポイント
「転職活動ってどんなふうに進めればいいの?」「本当に今、辞めていいのかな?」と不安を感じている看護師さんは少なくありません。 とくに初めての転職では、何から手をつければいいのか分からず、足踏みしてしまうこともあります。
この記事では、看護師さんの転職活動の流れを5つのステップに分けてわかりやすく解説し、 具体的な転職方法や、転職を考え始めたときに整理しておきたいポイント、スケジュールの立て方までまとめて紹介します。 初めての転職でも迷わず進められるように、順番に確認していきましょう。
看護師が転職を成功させる5つのステップ
看護師さんの転職活動は、おおまかに次の5つのステップで進んでいきます。 情報収集を始めてから内定をもらうまでは、一般的に約1〜3カ月が目安です。
- 転職活動に向けて準備する
- 求人を探す・情報収集をする
- 履歴書・職務経歴書を作成し、求人に応募する
- 面接を受け、内定をもらう
- 退職の手続きをする
それぞれのステップでやることを押さえておくと、転職活動全体のイメージがつかみやすくなります。 ここからは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:転職活動に向けて準備する
「そろそろ転職しようかな」と思い始めたら、いきなり求人を探す前に、まずは転職の目的や希望条件を整理することから始めましょう。
はじめのうちは、「どうして転職したいのか」「転職でかなえたいことは何か」を、 頭の中でぼんやりとイメージするだけでも十分です。紙やスマホのメモに書き出してみると、考えが整理しやすくなります。
例:
- 夜勤が多くて体力的にきつい → 日勤中心・夜勤少なめの職場に変えたい
- 人間関係のストレスが大きい → チームワークが良く、教育体制が整った職場で働きたい
- スキルアップしたい → 専門領域を学べる病院や認定看護師を目指せる環境に行きたい
- 結婚・出産・育児と両立したい → 残業が少なく、育児に理解のある職場で働きたい
こうした「転職の目的」が明確になると、「勤務地」「勤務形態」「給料」「病院・施設の種類」「診療科」など、 具体的な希望条件を設定しやすくなります。
また、転職活動を始める前に、現在の職場の就業規則も必ず確認しておきましょう。 何カ月前までに退職の意思を伝える必要があるか、書面での提出が必要かなど、細かいルールが決まっている場合があります。
Point!
転職先が決まってから「退職の申し出が遅くて辞められない…」ということにならないように、
退職の申し出の期限(例:退職日の1〜2カ月前)は事前にチェックしておきましょう。
ステップ2:求人を探す・情報収集をする
転職の目的と希望条件がおおよそ固まったら、次は情報収集に進みます。 実際の求人情報を見てみることで、「自分がどんな職場で働きたいか」がより具体的になっていきます。
看護師が求人を探す方法は、 自分で求人を探して応募する方法と、転職サービスを利用してサポートを受ける方法の大きく2パターンがあります。 詳しくは後述の「看護師の転職 具体的な方法は4つ!」で解説します。
求人票だけでは分からない「職場の雰囲気」「残業の実態」「離職率」「教育体制」などの情報も、 可能であれば先輩や同僚、転職サービスのアドバイザーなどから集めていきましょう。
ステップ3:履歴書・職務経歴書を作成し、求人に応募する
応募したい病院・施設が決まったら、履歴書や職務経歴書などの応募書類を準備します。
- 履歴書:基本情報・志望動機・自己PRなどを記入
- 職務経歴書:これまでの勤務先、経験した病棟・診療科、担当業務、スキル・資格などを詳しく記載
看護師の転職では、「どんな経験を積んできたのか」「どのような看護ができるのか」を具体的に伝えることが重要です。 患者さんの状態や疾患、実施してきたケアの内容、役職・リーダー経験なども整理しておきましょう。
応募前に病院見学を実施しているケースも多く、見学後にそのまま面接へ進むこともあります。 見学に行く際は、履歴書を持参するよう指定されることもあるため、事前の準備を忘れないようにしましょう。
ステップ4:面接を受け、内定をもらう
書類選考を通過すると、いよいよ面接です。 面接では、次のような質問がよく聞かれます。
- 簡単な自己紹介
- これまでの経験・担当してきた業務内容
- 転職理由
- 志望動機(なぜその病院・施設を選んだのか)
- 入職後にどのように働きたいか・将来のキャリアプラン
いきなり本番で話すと緊張して言葉に詰まってしまうことも多いため、 事前に台本を作って声に出して練習しておくと安心です。
面接では、表情や姿勢、言葉づかいも大切な印象要素になります。
明るい表情で、前向きな姿勢ややる気、患者さんへの想いが伝わるように意識しましょう。
内定の連絡をもらったら、できるだけ早めに返事をするのがマナーです。 他院との選考が並行している場合でも、いつまでに返事ができるのかを正直に伝えるようにしましょう。
ステップ5:退職の手続きをする
転職先が決まったら、現在の職場で退職手続きを進めます。 円満退職できるよう、誠実な対応を心がけましょう。
退職までの主な流れ
- 直属の上司に退職の意思を伝える(口頭)
- 退職日を相談・調整する
- 就業規則に沿って退職届を提出する
- 業務の引き継ぎを行う
- 最終出勤日・退職日を迎える
退職の場面では、「申し訳ない」「言いづらい」と感じる方も多いですが、 感情的にならず、理由と感謝の気持ちを簡潔に伝えることが大切です。 しっかり引き継ぎを行い、最後まで責任を持って勤めることで、次のステージに気持ちよく進むことができます。
看護師の転職 具体的な方法は4つ!
看護師さんが転職活動を進める具体的な方法は、主に次の4つです。 それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った方法を選びましょう。
- 病院・施設のホームページなどで採用情報を探す
- 転職サービス(紹介会社)を利用する
- 求人サイトを利用する
- ナースセンター、ハローワークで探す
1. 病院・施設ホームページなどで採用情報を探す
気になる病院や施設の公式ホームページから採用情報を確認し、直接応募する方法です。 「この病院で働きたい!」と志望先がはっきりしている場合に向いています。
メリット
- 応募したい病院が決まっていれば効率的に転職活動ができる
- 病院側から「志望度が高い」と評価されやすい
- 紹介会社を通さないため、病院側の採用コストが抑えられる(好印象につながることも)
デメリット
- 応募したい病院が決まっていないと、求人探しに時間がかかる
- 求人探し・応募手続き・面接日程の調整・条件交渉などをすべて自分で行う必要がある
- ホームページの情報だけでは、職場の雰囲気や人間関係などが分かりにくい
公式サイトだけでは分からない部分は、元同僚や知人からリアルな情報を聞くのも1つの方法です。 ただし、紹介してもらった手前、選考途中で辞退しづらくなるケースもあるため、その点は注意しましょう。
2. 転職サービス(紹介会社)を利用する
2つ目は、看護師向けの転職サービス(人材紹介会社)を利用する方法です。 多くの場合、看護師1人ひとりにキャリアアドバイザーがつき、求人紹介から応募書類の添削、面接対策、 給与や休日などの条件交渉、円満退職のアドバイスまで、転職活動全般をサポートしてくれます。
「初めての転職で不安」「忙しくて自分だけで転職活動を進める時間がない」という看護師さんには、とくにおすすめの方法です。
メリット
- 求人情報の数・種類が多く、自分の希望に合う求人を提案してもらえる
- 専任の担当者に、転職活動全般の相談や悩みを話せる
- 職場の雰囲気、残業の多さ、離職率などのリアルな情報を持っていることが多い
- 自分では言い出しづらい給与・休日などの条件交渉を代わりに行ってくれる
デメリット
- 転職サービスによって、求人の質や担当者の対応に差がある
- 担当者との連絡(電話やメール、LINEなど)が発生する
- 地方や特定エリアでは、紹介できる求人数が少ない場合もある
転職サービスを選ぶときは、「看護師に特化しているか」「口コミ・評判」「担当者との相性」などもチェックしましょう。 合わないと感じた場合は、無理をせずに別のサービスを併用するのも1つの方法です。
3. 求人サイトを利用する
3つ目は、看護師向け求人サイトを利用する方法です。 転職サービス(紹介会社)と似ていますが、求人サイトは基本的にキャリアアドバイザーがつかず、 自分で求人を検索し、応募していくスタイルです。
スマホやパソコンから24時間いつでも求人をチェックできるため、 「自分のペースで気軽に転職活動をしたい」という方に向いています。
メリット
- 豊富な求人を自分の好きなタイミングで閲覧できる
- 勤務地・勤務形態・給与など、条件で絞り込み検索がしやすい
- 看護師の転職に役立つコラムやノウハウ記事が掲載されているサイトも多い
デメリット
- 応募から面接日程の調整、条件交渉まで、すべて自分で行う必要がある
- 履歴書の書き方や面接対策などのサポートは基本的にない
- 求人票に職場の雰囲気が詳しく書かれていないことも多い
求人サイトを使う場合は、気になる求人を見つけたら、 病院・施設のホームページもあわせて確認するなど、情報収集を丁寧に行うことが大切です。
4. ナースセンター、ハローワークで探す
4つ目は、日本看護協会・都道府県看護協会が運営するナースセンターや、 公的機関であるハローワークで求人を探す方法です。
いずれも公的なサービスで、利用料はかからず、安心して相談・利用できるのが特徴です。
メリット
- 公的サービスならではの安心感がある
- 小規模なクリニックや地方の医療機関など、民間サイトには出てこない求人が見つかることもある
- ナースセンターの場合、担当者が看護職のため、看護師目線のアドバイスをもらえる
デメリット
- 民間の転職サービスに比べると、求人数が少ない傾向がある
- 履歴書の添削や面接対策などのサポートは薄め
- ハローワークでは、担当者が看護職の仕事に詳しくない場合もある
「地元で働きたい」「小規模なクリニックも含めて幅広く検討したい」という方は、 転職サービスや求人サイトと併用して活用するのもおすすめです。
「転職しようかな…」と思ったら最初にやること
「なんとなく今の職場を辞めたい」「転職した方がいい気がする」とモヤモヤしている段階では、 まだ具体的な求人探しに進まなくても大丈夫です。まずは自分の気持ちと状況を整理することから始めましょう。
転職の目的と条件をはっきりさせよう
転職活動で最も大切なのは、「なぜ転職をするのか(目的)」と、 「転職で何をかなえたいのか(条件)」を明確にすることです。
目的がはっきりしていないまま求人を眺めていると、なんとなく条件だけで選んでしまい、 「入職してみたら思っていたのと違った…」というミスマッチにつながる可能性もあります。
よくある転職のきっかけの例
- 多忙な急性期病棟で常に慌ただしく、身体的・精神的に限界を感じている
- 職場の人間関係が悪く、毎日出勤するのが憂うつ
- 残業や夜勤が多く、休みも少なくてプライベートの時間が取れない
- もっと高い給与・賞与がほしい、待遇面を改善したい
- 専門分野を学びたい、スキルアップできる環境で働きたい
- 結婚・出産・育児、介護などと両立できる働き方に変えたい
こうした理由を整理したうえで、 「それを解決・実現するために、どんな条件が必要なのか」を考えていくと、 自分に合う職場が見つけやすくなります。
希望条件の例
- 夜勤の回数(月○回まで/夜勤なし)
- 残業時間(○時間以内/ほぼ定時で帰れる)
- 年間休日数・有給の取りやすさ
- 月給・賞与・手当などの待遇
- 勤務地(自宅から○分以内/駅チカ/車通勤可)
- 病院・施設の種類(急性期・回復期・慢性期・クリニック・訪問看護・介護施設など)
- 診療科・看護の分野
すべてを完璧に満たす職場を探すのは難しいため、 「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」の優先順位をつけておくこともポイントです。
自分のキャリア・スキルを振り返ろう
転職活動では、履歴書や職務経歴書、面接などを通して、 「自分はどんな看護師なのか」「これまでどんな経験を積んできたのか」を伝える必要があります。
そのためにも、事前に自分のキャリア・スキルを棚卸ししておきましょう。
振り返っておきたいポイント
- 看護師になろうと思ったきっかけ・理由
- これまで勤務してきた病棟・施設(急性期/回復期/慢性期/外来/オペ室など)
- 経験してきた患者さんの疾患・状態
- 行ってきたケア・業務内容(点滴管理、褥瘡ケア、急変対応、退院支援など)
- リーダー業務・プリセプター経験・委員会活動など院内での役割
- 身につけたスキルや取得している資格・認定
- これまでの経験を通して大切にしてきた看護観や、これから実現したい看護
これらを整理しておくと、自己PRや志望動機が書きやすくなるだけでなく、 自分に合った職場のイメージも具体的になっていきます。
転職活動のスケジュールって、どう立てればいい?
看護師の転職活動(情報収集〜内定まで)に必要な期間は、一般的に約1〜3カ月と言われています。 早い方では1〜2週間で内定を得るケースもありますが、余裕を持って動くなら3カ月程度を目安にするのがおすすめです。
スケジュールを立てるときは、まず「いつまでに退職したいか」「いつから新しい職場で働きたいか」というゴールを決め、 そこから逆算して考えるとイメージしやすくなります。
転職活動のざっくりスケジュール例
- 〜1カ月目:転職の目的・条件の整理、情報収集スタート、転職サービス登録
- 2カ月目:求人紹介・病院見学・応募書類の作成、応募〜面接
- 3カ月目:最終面接・内定、退職の申し出、引き継ぎ準備
もちろん、個々の状況によって前後しますが、 「仕事を続けながら転職活動をする場合」は、少し余裕をもったスケジュールを意識しましょう。
看護師の求人が増えるタイミングを意識しよう
看護師の求人は、春〜夏(4〜7月頃)にかけて増える傾向があります。 新卒・異動などの動きがひと段落して欠員がはっきりするタイミングで中途採用を強化する病院が多いためです。
もちろんそれ以外の時期でも求人はありますが、 より多くの選択肢の中から選びたい方は、このタイミングに応募・面接のステップに進めるよう逆算して準備しておくと、有利に動きやすくなります。
退職の意思表示のタイミングに注意!
スケジュールを考えるうえで見落としがちなのが、「今の職場にいつ退職の意思を伝えるか」というポイントです。
一般的には退職日の1カ月前に申し出るケースが多いですが、 看護師の場合、就業規則に「退職日の2カ月前までに申し出ること」などと決められていることもあります。
「次の職場への入職日も決まっているのに、退職が認められない…」と困ることがないように、 転職活動を始める前に、必ず就業規則や雇用契約書を確認しておきましょう。
まとめ:準備と情報収集で、看護師の転職はもっと安心になる
看護師の転職活動は、「準備」「情報収集」「応募・面接」「退職手続き」という流れを押さえておけば、必要以上に怖がるものではありません。
とくに大切なのは、転職を思い立ったときに、目的や希望条件、自分のキャリアをしっかり整理すること。 ここがあいまいなままだと、どんな転職方法を選んでも、職場選びで迷いやすくなってしまいます。
自分に合った転職方法(公式サイトからの応募・転職サービス・求人サイト・ナースセンターやハローワークなど)を活用しながら、 無理のないスケジュールで一歩ずつ進めていきましょう。
今の働き方に悩んでいる看護師さんも、適切な準備と情報収集さえできていれば、
より自分らしく働ける職場に出会える可能性は十分にあります。
焦らず、自分のペースで転職活動を進めていきましょう。

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