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目次
- 1 薬剤師の転職先はどこまで広がる?病院・薬局から異業種まで徹底解説
- 1.1 1. 薬剤師の主な転職先は?まずは「定番3職種」を整理しよう
- 1.2 2. 薬剤師が活躍できる異業種の転職先10選
- 1.2.1 2-1. 医薬情報担当者(MR):製薬企業の“顔”として医療現場を支える
- 1.2.2 2-2. 治験コーディネーター(CRC):被験者に寄り添いながら新薬開発を支える
- 1.2.3 2-3. 化粧品会社・化粧品メーカー:成分知識を活かして“キレイ”をつくる
- 1.2.4 2-4. 臨床開発モニター(CRA):治験の質を守る“監督役”
- 1.2.5 2-5. 麻薬取締官:薬物犯罪を防ぐ“捜査のプロフェッショナル”
- 1.2.6 2-6. 食品衛生監視員:食の安全を守る公的専門職
- 1.2.7 2-7. 研究開発職:新薬・新技術を生み出す“創造の現場”
- 1.2.8 2-8. 学校薬剤師:子どもたちの健康と学びの場を支える
- 1.2.9 2-9. メディカルライター:専門知識を“文章”に変えて届ける仕事
- 1.2.10 2-10. 公務員薬剤師:地域や国全体の健康を支える“行政のプロ”
- 1.3 3. 働く場所によって年収の相場は大きく変わる
- 1.4 4. 転職前に必ずチェックしたい3つのポイント
- 1.5 5. ライフステージ別・薬剤師の転職で意識しておきたいポイント
- 1.6 6. 転職で悩んだら、薬剤師専門の転職エージェントを活用しよう
- 1.7 7. まとめ:薬剤師の転職先は思っている以上に多い。大切なのは「自分の軸」を持つこと
薬剤師の転職先はどこまで広がる?病院・薬局から異業種まで徹底解説
「今の職場に不満があるけれど、転職先のイメージが病院と調剤薬局しか浮かばない」
「薬剤師の資格を活かしながら、もう少し自分に合った働き方はないだろうか」
そんなモヤモヤを抱えながら働いている薬剤師の方は、実は少なくありません。
しかし現実には、薬剤師の転職先は医療現場に限らず、企業・公的機関・教育・ライティングなど、想像以上に多岐にわたります。
転職先の選択肢をきちんと知っているかどうかで、その後のキャリアの広がりは大きく変わってきます。
この記事では、
- 薬剤師の代表的な転職先(病院・ドラッグストア・調剤薬局)の特徴
- 異業種で活躍できる薬剤師向けの転職先10選
- 働く場所によって変わる年収相場と注意点
- 転職前に「必ずチェックしておきたい3つのポイント」
- 転職に悩んだときに頼れる転職エージェントの活用方法
まで、できるだけ具体的に、かつ実務のイメージが湧くように解説します。
今すぐ転職する予定がない方でも、将来のキャリアプランを考えるうえで役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
1. 薬剤師の主な転職先は?まずは「定番3職種」を整理しよう
薬剤師の転職先として、まず押さえておきたいのが次の3つです。
- 病院
- ドラッグストア
- 調剤薬局
「もう知っている」という方も多いと思いますが、あらためて特徴や向いている人を整理しておくと、自己分析の軸がはっきりしてきます。
ここでは、それぞれの職場での働き方を、できるだけイメージしやすくまとめました。
1-1. 病院:チーム医療の中心で、専門性を深めたい人向け
病院薬剤師は、入院・外来を問わず、治療の最前線で活躍するポジションです。
日々、医師や看護師、リハビリスタッフ、管理栄養士など多職種と連携しながら、患者さんの治療を支えます。
病院薬剤師の主な業務
- 入院・外来患者の処方箋調剤、監査
- 病棟業務(服薬指導、薬剤管理指導、薬歴の作成・管理)
- 注射薬・抗がん剤・TPNなどの調製
- 医薬品の採用・在庫管理・情報収集
- チーム医療(ICT、NST、緩和ケアチームなど)への参画
病院薬剤師のメリット
- 高度医療・急性期医療に関わることで、薬物療法の知識と経験を深く積める
- 専門薬剤師・認定薬剤師など、キャリアアップの道が明確
- カンファレンスや回診などを通じて、医師と対等にディスカッションできる
病院への転職が向いている薬剤師像
- 「治療の一部として薬物療法に関わりたい」気持ちが強い人
- じっくり勉強を続けながら、専門性を高めたい人
- チーム医療の中でコミュニケーションをとるのが苦ではない人
一方で、夜勤や当直、オンコールなどがある病院も多く、ワークライフバランスとの両立が課題になるケースもあります。
「やりがい」と「働きやすさ」のどちらを優先するのか、自分なりの軸を持つことが大切です。
1-2. ドラッグストア:接客が好きで、予防医療に関わりたい人向け
ドラッグストアは、調剤併設かどうかにかかわらず、「健康に悩みを持つ前の段階の人」と関わる機会が多い職場です。
いわば、病気になる前から生活者と関わる「入口」のポジションといえるでしょう。
ドラッグストア薬剤師の主な業務
- OTC医薬品の説明・販売(特に第1類医薬品は薬剤師が担当)
- 健康食品・サプリメント・介護用品などの提案
- 調剤併設店では処方箋調剤・服薬指導
- 売り場づくり(レイアウト・POP作成)
- 在庫管理・発注・売上管理 など
ドラッグストアのメリット
- 生活者目線で、予防医療・セルフメディケーションに関われる
- 接客スキル・販売スキル・マネジメントスキルが身につく
- 地方や郊外勤務では高年収を提示されることも多い
向いている薬剤師像
- 人と話すのが好きで、気軽に声をかけられるタイプ
- 数字や売上を意識するのが嫌ではない人
- 病院ほど重症な患者よりも、「健康な人」を相手にしたい人
一方で、土日勤務やシフト制、長時間の立ち仕事などが負担になるケースもあります。
店舗ごとの人員体制によっても働きやすさは大きく変わるため、転職時には事前の情報収集が重要です。
1-3. 調剤薬局:地域密着で、患者さんにじっくり寄り添いたい人向け
調剤薬局は、地域の医療を支える拠点としての役割が年々大きくなっています。
「かかりつけ薬剤師」制度の広まりもあり、患者さんと長期的な関係を築きやすい場といえます。
調剤薬局薬剤師の主な業務
- 処方箋に基づく調剤・監査・投薬
- 服薬指導・薬歴管理・副作用のフォロー
- 在宅訪問(在宅対応薬局の場合)
- 医療機関との情報共有・疑義照会
- 地域住民向けの健康相談会・勉強会など
調剤薬局で働くメリット
- 顔なじみの患者さんが増え、信頼関係を築きやすい
- 在宅医療などを通して、生活背景までふまえた支援ができる
- 職場によっては残業が比較的少なく、働き方を調整しやすい
こんな薬剤師におすすめ
- 患者さん一人ひとりと向き合う時間を大切にしたい人
- 地域医療・在宅医療に興味がある人
- ライフステージに合わせて働き方を調整していきたい人
ただし、門前の診療科や処方内容によって、身につく知識・スキルに偏りが出ることもあります。
転職の際は「どの診療科の処方が多い薬局なのか」も確認しておくと、キャリア形成のイメージが描きやすくなります。
2. 薬剤師が活躍できる異業種の転職先10選
ここからは、「薬剤師=医療現場」という固定観念を超えた、異業種の転職先を紹介します。
「薬剤師としての経験を活かしながら、新しいフィールドに挑戦したい」という方は、ぜひチェックしてみてください。
2-1. 医薬情報担当者(MR):製薬企業の“顔”として医療現場を支える
MR(Medical Representative)は、製薬企業に所属し、医師・薬剤師・看護師など医療従事者に対して、自社医薬品の情報提供を行う仕事です。
MRの具体的な業務内容
- 医療機関への定期訪問・情報提供
- 医薬品の有効性・安全性・最新エビデンスの説明
- 実際の使用状況・副作用情報の収集と社内報告
- 講演会・勉強会の企画・運営サポート
薬剤師がMRで発揮できる強み
- 薬理・相互作用・禁忌など専門的な質問にも対応しやすい
- 処方のイメージが持ちやすく、医師との会話が具体的になる
- エビデンスを読み解く力があるため、信頼を得やすい
一方で、目標数字の達成プレッシャーや出張・移動の多さなど、これまでの職場とは大きく異なる負荷もあります。
「成果に応じて評価されたい」「外回りや人と話すのが好き」という方に向いている職種です。
2-2. 治験コーディネーター(CRC):被験者に寄り添いながら新薬開発を支える
CRC(Clinical Research Coordinator)は、治験に参加する被験者と、医師・製薬企業の間に立って、治験がスムーズに進むよう調整を行う職種です。
CRCの主な業務
- 被験者への治験内容の説明・同意取得のサポート
- 来院スケジュールの調整・当日の付き添い
- 服薬状況・体調変化の確認と記録
- 各種検査や診察のスケジュール管理
薬剤師がCRCに向いている理由
- 治験薬の作用やリスクを理解し、被験者に安心感を与えられる
- 副作用発現時の重要度や緊急度をイメージしやすい
- 病院の診療フローに慣れているため、現場との連携がスムーズ
「新薬開発に関わりたいけれど、患者さんとも関わり続けたい」という方にとって、CRCは魅力的な選択肢となるでしょう。
2-3. 化粧品会社・化粧品メーカー:成分知識を活かして“キレイ”をつくる
化粧品メーカーでの仕事は、成分設計・安全性評価・表示チェック・企画開発など多岐にわたります。
薬学部出身者や薬剤師を積極採用している企業も少なくありません。
化粧品メーカーでの主な活躍ポジション
- 研究開発(成分配合・処方設計・安定性試験など)
- 品質保証・薬事(薬機法にもとづく表示チェック・申請業務)
- 商品企画・マーケティング(コンセプト立案・市場調査)
- お客様相談室(問い合わせ対応・トラブル事例の分析)
「コスメが好き」「成分表示を見るのが趣味」という薬剤師にとっては、趣味と専門性を両立できるフィールドといえるでしょう。
2-4. 臨床開発モニター(CRA):治験の質を守る“監督役”
CRA(Clinical Research Associate)は、製薬企業やCROに所属し、治験がルールにのっとって実施されているかをチェックする仕事です。
治験の現場を定期的に訪問し、データの信頼性と被験者の安全を守る役割を担います。
CRAの主な業務
- 治験実施計画書(プロトコル)の作成・説明
- 治験実施施設の選定・立ち上げ支援
- 症例報告書(CRF)の回収・内容チェック
- GCPなど各種規制に沿って治験が行われているかの確認
「臨床現場も研究も好き」「ルールを守りながらきっちり仕事がしたい」という薬剤師に向いたキャリアです。
2-5. 麻薬取締官:薬物犯罪を防ぐ“捜査のプロフェッショナル”
麻薬取締官は、麻薬・覚醒剤・向精神薬などの違法使用を取り締まる国家公務員です。
捜査・摘発に加え、薬物乱用防止の啓発活動も行います。
薬剤師が活かせるポイント
- 薬物の性質を理解しているため、乱用リスクの説明ができる
- 押収物の鑑定などで、専門知識が大きな武器になる
- 学校や地域での啓発活動で説得力のある講話ができる
公安系の仕事であり、一般的な薬剤師業務とは大きく異なりますが、「社会の安全に直接貢献したい」という強い思いを持つ薬剤師には魅力的な選択肢です。
2-6. 食品衛生監視員:食の安全を守る公的専門職
食品衛生監視員は、検疫所や保健所などで、食品の安全性をチェックする公務員です。
食中毒や輸入食品の問題など、ニュースで話題になる「食のリスク」の現場で活躍します。
主な業務
- 飲食店・食品工場への立ち入り検査
- 輸入食品の検査・監視
- 残留農薬・添加物・病原体などの検査
- 食中毒発生時の原因調査・再発防止指導
薬剤師は、化学物質や毒性に関する知識を活かして、「薬ではなく食の安全」を支える役割を担うことができます。
2-7. 研究開発職:新薬・新技術を生み出す“創造の現場”
製薬企業・バイオベンチャー・食品メーカー・ヘルスケア企業などでは、薬剤師が研究職として活躍しているケースも多くあります。
研究職の主な業務
- 新しい化合物の探索・スクリーニング
- 製剤設計・剤形の開発
- 動物実験・安全性試験・薬効評価
- データ解析・論文作成・学会発表
研究職は競争も激しく狭き門ですが、その分、成果が世の中に出たときの喜びは非常に大きい仕事です。
「コツコツと仮説と検証を繰り返すのが苦にならない」「新しいものを生み出すことにワクワクする」という方に向いています。
2-8. 学校薬剤師:子どもたちの健康と学びの場を支える
学校薬剤師は、学校の環境衛生や保健管理に関わる専門職です。多くの場合、薬局や病院に勤務しながら兼務という形で活動します。
主な業務
- 教室・保健室・理科室などの環境衛生の検査(照度・換気・騒音など)
- プールの水質検査
- 学校で使われる薬品の管理・アドバイス
- 児童生徒への薬物乱用防止教育・健康教育
「子どもが好き」「教育や予防にも関わりたい」という薬剤師にとって、やりがいの大きいフィールドです。
2-9. メディカルライター:専門知識を“文章”に変えて届ける仕事
メディカルライターは、医療・医薬・健康に関する情報を、患者さんや一般の人にもわかりやすく伝える仕事です。
企業所属だけでなく、在宅でフリーランスとして働く薬剤師も増えています。
主な業務
- 医薬品解説記事や疾患解説記事の執筆
- 医療機関や製薬企業のパンフレット・Webサイトの文章作成
- 臨床試験関連文書の作成サポート
- 健康情報メディアの監修・編集
「もともと文章を書くのが好き」「在宅や副業で働きたい」という薬剤師には、柔軟な働き方がしやすい選択肢といえます。
2-10. 公務員薬剤師:地域や国全体の健康を支える“行政のプロ”
公務員薬剤師は、国や自治体に所属し、行政の立場から医療・福祉・衛生を支える職種です。
主な勤務先と業務の例
- 保健所:医療機関・薬局・ドラッグストアの監視・指導、感染症対策
- 衛生研究所:医薬品や環境水の検査・分析
- 自治体庁舎:医療・健康に関する施策立案・運用
- 国の機関:医薬品行政・保険制度などの企画・立案
景気の変動に左右されにくいことに加え、「個人の患者」ではなく「地域住民・国民全体」の健康を守る視点が求められる点が特徴です。
3. 働く場所によって年収の相場は大きく変わる
薬剤師の転職を考えるとき、どうしても気になるのが年収・給与の違いです。
一般的な傾向としては、
- ドラッグストア(特に地方・郊外)
- 調剤薬局
- 病院
の順で年収が高いといわれることが多いですが、実際には企業規模や地域、働き方(常勤・パート・夜勤の有無)によって大きく変わります。
3-1. 「年収」だけでなく「実質の手取り」を見る
例えば、「年収600万円」と「年収550万円」の求人があった場合でも、
- 住宅手当・家賃補助があるか
- 残業代が別途支給されるか、固定残業か
- 賞与の支給月数や評価による変動
といった条件次第で、実際に手元に残る額は逆転することもあります。
数字だけにとらわれず、「時給換算したときに納得できるか」「生活コストも含めて満足できるか」まで考えることが重要です。
3-2. 異業種は「資格手当なし」でも年収アップの可能性あり
MRやCRA、研究職など、企業の総合職・専門職として働く場合、「薬剤師手当」がつかないケースも少なくありません。
その一方で、
- 業績連動のボーナス
- 昇進・昇格による年収アップ
- 福利厚生や退職金制度の充実
など、トータルで見れば病院・薬局勤務よりも生涯年収が高くなる可能性もあります。
重要なのは、「薬剤師資格に対していくら払ってくれるか」ではなく、「自分のキャリア全体を通してどれだけの価値を生み、評価されたいか」という視点です。
4. 転職前に必ずチェックしたい3つのポイント
転職活動中の薬剤師にアンケートを取ると、多くの方が次の3つを「事前に知りたい」と答えます。
- 年収などお金の条件
- 職場の雰囲気
- 休日・休暇
どれも当たり前のように聞こえますが、具体的にどこまでチェックできているかで、転職の満足度は大きく変わります。
4-1. 第1位:年収などお金について
給与条件を確認する際は、「月給か年俸か」「各種手当の有無」「残業代の扱い」を必ずチェックしましょう。
4-1-1. 月給制なら「賞与・残業代・手当」を細かく確認
- 賞与:年何回・何か月分か、評価による変動はあるか
- 残業代:1分単位か15分単位か、固定残業はないか
- 手当:薬剤師手当・住宅手当・通勤手当などの金額と条件
特に、求人票に「高収入」「年収600万円以上」といった表現がある場合は、その金額にどこまで含まれているのかを必ず確認しましょう。
4-1-2. 年俸制なら「内訳」と「みなし残業」に要注意
年俸制の場合、次の点を確認せずに入職すると、後から「こんなはずでは…」となりがちです。
- 年俸を12分割か、14〜16分割か(賞与相当を含むか)
- みなし残業時間が設定されていないか、その時間数はいくらか
- 超過分の残業代が支給されるか
年俸制は一見わかりやすく見えますが、年俸=実質的な「上限」になってしまうケースもあります。
「どれだけ働いても年俸は変わらない」という状況にならないよう、条件は事前に細かく確認しておきましょう。
4-2. 第2位:職場の雰囲気
職場の雰囲気は、求人票だけではなかなか見えてこない部分です。
しかし、次のような情報を集めることで、ある程度のイメージをつかむことができます。
4-2-1. 未経験者の受け入れ実績・教育体制
「未経験歓迎」と書かれていても、本当に受け入れ体制が整っているとは限りません。
次のような点を確認してみましょう。
- 過去に未経験で入職した人がどれくらいいるか
- 教育期間はどの程度か(1週間・1か月・数か月など)
- OJTだけなのか、研修マニュアルや勉強会があるのか
- フォロー役の先輩がつくのか、誰に質問できるのか
実績が具体的に語られる職場ほど、未経験者の育成に前向きと言えるでしょう。
4-2-2. 時短勤務や産休・育休の「利用状況」を見る
福利厚生制度は「あるかないか」だけでなく、実際に使われているかどうかが重要です。
- 時短勤務の制度を利用している人はいるか
- 産休・育休取得後の復帰率はどのくらいか
- 復帰後の働き方に配慮はあるか(シフト・残業など)
利用実績がほとんどない職場では、「制度はあるが使いづらい」というケースもあります。
可能であれば、実際に利用した人のケースを聞いてみると、よりリアルな雰囲気が見えてきます。
4-3. 第3位:休日・休暇
ワークライフバランスを大切にしたい薬剤師にとって、休日・休暇の条件は非常に重要です。
求人票の表記を、なんとなくのイメージで判断しないように注意しましょう。
4-3-1. 「週休二日制」と「完全週休二日制」の違い
- 週休二日制:1か月のうち、1回以上「週に2日休み」がある
- 完全週休二日制:毎週2日、決まった曜日が休みになる
「完全週休二日制だと思って転職したら、実は週休二日制で、ほとんどの週が週1休みだった」という失敗例は意外と多いものです。
表記の違いは必ず理解しておきましょう。
4-3-2. 年間休日・有給・連休の取りやすさも確認
休日・休暇を判断するときには、次のようなポイントも確認しておくと安心です。
- 年間休日は何日か(120日以上あると「多め」の傾向)
- シフト制か、土日祝休みか
- 有給取得率・有給の取りやすさ
- 3連休以上の連休を取れる雰囲気か
特にドラッグストアや一部の病院では、シフト制で連休が取りづらいケースもあります。
「旅行に行きたい」「実家に帰省したい」など、自分のライフスタイルに合うかどうかを具体的にイメージしておきましょう。
5. ライフステージ別・薬剤師の転職で意識しておきたいポイント
薬剤師のキャリアは、20代・30代・40代以降で重視するポイントが少しずつ変わってきます。
自分が今どの段階にいるのかを意識しておくと、転職先の絞り込みがしやすくなります。
5-1. 20代:経験を「幅広く」積む時期
20代は、まだキャリアの方向性が固まりきっていない方も多い時期です。
この段階では、
- 多様な症例・処方に触れられる環境か
- 教育・研修・フォロー体制が整っているか
- 失敗しても学び直せる環境か
といった「経験の質」に重きを置くことをおすすめします。
5-2. 30代:専門性と働きやすさのバランスを意識
30代になると、「この先どんな薬剤師でいたいか」を意識し始める方が増えてきます。
結婚・出産・子育てが重なる時期でもあり、働き方の柔軟性も重要なテーマです。
- 専門性を深めるのか、マネジメントや教育に関わるのか
- 家庭との両立を優先するのか、キャリアアップを優先するのか
- いつでも転職できるよう、市場価値を高めておくのか
30代での転職は、その後のキャリアに大きく影響します。
一度立ち止まり、「5年後・10年後にどうなっていたいか」を言語化してみると、方向性が見えやすくなります。
5-3. 40代以降:無理のない働き方とキャリア継続性
40代以降の転職では、
- 体力的に無理のない勤務形態か
- 経験を評価してくれる職場か
- 定年後や60代以降も働き続けられるか
といった視点が重要になってきます。
管理薬剤師・エリアマネージャー・教育担当など、これまでの経験を活かせるポジションにチャレンジしてみるのも一つの選択肢です。
6. 転職で悩んだら、薬剤師専門の転職エージェントを活用しよう
ここまで見てきたように、薬剤師の転職先は非常に種類が多く、一人で情報収集をしてすべてを比較検討するのは現実的ではありません。
そこで頼りになるのが、薬剤師専門の転職エージェントです。
6-1. 転職エージェントを使うメリット
- 非公開求人を含めた幅広い選択肢を紹介してもらえる
- 職場の雰囲気・人間関係・離職率といった内部情報が得られる
- 年収交渉や条件面のすり合わせを代行してもらえる
- 履歴書・職務経歴書の添削や面接対策のサポートが受けられる
- 「とりあえず相談だけ」から始めることもできる
マイナビ薬剤師のような専門エージェントでは、薬剤師業界に詳しいキャリアアドバイザーが担当につき、あなたの希望や悩みをヒアリングしたうえで、求人を提案してくれます。
6-2. こんな薬剤師こそエージェントを使うべき
- 今の環境にモヤモヤはあるが、転職するかどうか決めきれていない
- そもそも自分にどんな転職先が合っているのかわからない
- 異業種に興味はあるが、何から調べればいいかわからない
- 年収や条件の交渉を自分から切り出すのが苦手
無理に転職をすすめられるのではなく、「転職すべきかどうか」から一緒に考えてくれるエージェントを選ぶと、より安心して相談できます。
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7. まとめ:薬剤師の転職先は思っている以上に多い。大切なのは「自分の軸」を持つこと
この記事では、薬剤師の転職先について、
- 病院・ドラッグストア・調剤薬局といった定番の職場
- MR・CRC・化粧品メーカー・研究職・公務員などの異業種10選
- 働く場所で異なる年収相場と、その裏にある注意点
- 転職前に必ずチェックしたい「年収・職場の雰囲気・休日」
- ライフステージ別に意識したいキャリアのポイント
- 転職エージェントを活用するメリット
をお伝えしてきました。
薬剤師のキャリアは、決して「病院」「薬局」「ドラッグストア」だけに限定されているわけではありません。
異業種を含めて視野を広げてみると、自分の価値観やライフスタイルにフィットする働き方が見えてくるはずです。
とはいえ、選択肢が増えれば増えるほど、
- 何を基準に選べばいいのか
- 今の職場を本当に手放していいのか
- 転職して失敗しないか
という不安も大きくなります。
そんなときは、一人で抱え込まず、薬剤師専門の転職エージェントや信頼できる先輩・同僚に相談しながら、少しずつ情報を整理していきましょう。
情報が集まり、自分の希望が言語化できてくると、「どこに転職するか」だけでなく、「どんな薬剤師として生きていきたいか」という視点も自然と見えてくるはずです。
あなたのキャリアは、あなた自身が描いていくものです。
今のモヤモヤを放置せず、「知ること」から一歩を踏み出して、納得できる転職先を見つけていきましょう。
臨床薬剤師の転職日記