ICLとレーシックを徹底比較|どっちがいい?

ICLとレーシックを徹底比較|特徴・費用・リスクをわかりやすく解説

視力回復手術として代表的な「ICL(眼内コンタクトレンズ)」と「レーシック(LASIK)」。
「どちらを選ぶべきか迷っている」「それぞれのメリットやリスクを知りたい」という方のために、本記事ではICLとレーシックの特徴・費用・リスクの違いをわかりやすく解説します。さらに、近視の基礎知識や手術以外の矯正方法、術後の生活の違いまで詳しくまとめました。

近視とは?

近視とは、近くのものは見えるのに遠くのものがぼやけてしまう屈折異常の一種です。
光が角膜や水晶体で適切に屈折せず、網膜の手前でピントが合ってしまうことが原因です。眼球が奥に長く伸びることや光の屈折が強すぎることで起こります。

近視の治療方法

  • 眼鏡・コンタクトレンズ:最も一般的で幅広く適応可能。
  • 点眼薬:仮性近視や近視進行抑制を目的とする治療。低濃度アトロピン点眼に効果が期待されています。
  • 視力回復手術:ICLやレーシックによって裸眼での視力改善が可能。

視力回復手術の種類

代表的な手術にはICLレーシックがあります。いずれも18歳以上で視力が安定した方が対象です。

ICL(眼内コンタクトレンズ)とは

特徴

ICLは、角膜を数ミリ切開して眼の中に小さなレンズを挿入し、近視・遠視・乱視を矯正する手術です。レンズは取り外し可能で、強度近視の方にも適応できる点が特徴です。手術時間は約20分、入院不要で翌日から日常生活に戻れるケースが多いです。

費用

ICLは自由診療で、費用相場は両眼45万〜66万円(税込)と高額です。レンズは基本的に交換不要で、長期的に安定した視力が期待できます。

リスク

感染症、白内障、角膜内皮減少、高眼圧などのリスクがあります。ただし発生は稀で、適切な管理のもとで行えば安全性は高いとされています。

レーシック(LASIK)とは

特徴

レーシックは、レーザーを用いて角膜のカーブを削り、光の屈折を調整する手術です。中等度の近視・遠視・乱視に適応し、手術時間は約20分。入院の必要はありません。

費用

レーシックも自由診療で、費用相場は両眼20万〜35万円(税込)。ICLと比べて低コストで受けられる点が魅力です。

リスク

術後にドライアイや夜間のハロー・グレア現象が起こる可能性があります。角膜が薄い方や強度近視の方は不適応となる場合があります。

ICLとレーシックの違いを比較

比較項目ICLレーシック
視力の安定性長期的に安定しやすい近視が戻る可能性あり
見え方鮮明でクリアコントラストに変化の可能性
手術方法レンズを眼内に挿入角膜をレーザーで削る
適応範囲強度近視や角膜が薄い場合も可強度近視・角膜薄では不適応
費用約45万〜66万円約20万〜35万円
可逆性レンズを取り外せば元に戻せる角膜は元に戻らない

どちらが向いている?ICLとレーシックの選び方

ICLが向いている人

  • 強度近視や乱視があり、レーシックでは対応が難しい方
  • 角膜が薄く、レーシックの適応外と診断された方
  • 将来、手術後に取り外し可能な治療を希望する方
  • 長期的に安定した視力を求める方
  • 費用が多少高くても安全性を重視したい方

レーシックが向いている人

  • 中等度の近視・遠視・乱視で、角膜の厚さが十分にある方
  • 比較的リーズナブルな費用で視力回復を希望する方
  • 日常生活で裸眼視力を早期に得たい方
  • レンズを眼内に入れることに抵抗がある方

費用シミュレーション表

治療方法費用相場(両眼)長期コスト
ICL45万〜66万円レンズ交換不要で長期コストは少ない
レーシック20万〜35万円再手術の可能性あり
オルソケラトロジー16万〜18万円(1年)継続的な更新費用が必要
コンタクトレンズ年間5万〜8万円程度長期的に高額になるケースあり

短期的な費用ではレーシックが安価ですが、長期的に考えるとICLはコストパフォーマンスが良い場合もあります。

術後の生活の違い

ICL術後の生活

  • 翌日から日常生活可能だが、数日は安静が必要
  • 入浴・洗顔は数日制限
  • 激しい運動や目をこする行為は1〜2週間避ける
  • 長期的に視力が安定しやすい

レーシック術後の生活

  • 翌日から視力改善を実感できることが多い
  • ドライアイや夜間のハロー・グレア現象が一時的に出る可能性あり
  • 化粧やコンタクト装用は1週間程度制限
  • 角膜を削るため、不可逆的な変化となる

手術以外の近視矯正方法|オルソケラトロジー

手術以外の方法としてオルソケラトロジーがあります。特殊なコンタクトレンズを夜間に装用し、角膜の形状を矯正することで、日中は裸眼で生活できます。
費用は両眼で年間16万〜18万円程度で、継続的なコストが必要です。感染症や角膜炎などのリスクがあるため、正しいケアと定期検診が欠かせません。

手術を検討する際の注意点

どの方法が適しているかは、近視の度数、角膜の厚さ、生活スタイル、予算によって異なります。
手術を検討する場合は必ず眼科専門医に相談し、十分な検査と説明を受けたうえで選択しましょう。無料または低額で術前検査を行っているクリニックもあります。

まとめ

ICLとレーシックはいずれも裸眼での生活を可能にする有効な手術です。
費用・適応範囲・術後の生活を理解し、自分の目に合った手術を選ぶことが重要です。まずは専門医に相談し、納得したうえで最適な方法を検討しましょう。